Mayer, A. P., 2010, Factors Influencing the Implementation of an International Baccalaureate Diploma Program in a Diverse Urban High School, Journal of Advanced Academics, pp. 78-105.
【主たる実施及び組織的内容】
スタッフの選定、事前研修、コーチング、スタッフの評価、プログラムの評価、管理職の支援
スタッフの選定:選定基準を持つことが重要。学内から教員が選出され、コーディネーターは要求を出すが、最終決定は校長が出す。教員の能力が生徒の査定に関係している。
事前研修:研修は学校を離れて、教科に分かれて行われる。参加した教員は変化を感じている。
コンサルティング、又はコーチング:学内のプログラム・コーディネーターになる教員は、日々のプログラム運営や、スタッフの研修監督の責任を持つ。教員は、国際バカロレア組織によるオンラインのサポートも受ける
スタッフの評価:プログラム・コーディネーターは5年ごとに自己評価資料を作成しなければならない。コーディネーターは証拠を示しつつ、プログラムが実施されていることを示す必要がある。国際バカロレア組織のスタッフがこの資料をレビューする。年度末の生徒の成績は教員の能力を測るために使われる。1年に一度、教員は授業計画と生徒の課題を評価したものを国際バカロレア組織に送る。外部のレビューする人は、個々の教員にフィードバックを書いて送る。もし、教員の仕事が国際バカロレアの基準に満たない場合は、国際バカロレア組織の専門家がより詳細なレビューを行う。
スタッフとプログラムの評価:高2、高3は学校外で教科の総括的試験を受ける。これらの試験と、要求される追加プログラムを通過すると国際バカロレア卒業資格を得られる。コーディネータは、何割の生徒が試験を通過し、卒業資格を得たかでスタッフのパフォーマンスの評価とする。
促進的な管理職の支援:予算や政策、手続きなどを効果的に取扱う。裁量権のある予算をプログラム費の支払や、教育・カウンセリングのスタッフの配置、適切なプログラムの要求に合うようなスケジュールの調整を行う。
介入システム:他の政策や政治的支援、経済状況などを含む外的要因。プログラムの国内における権威は極めて肯定的な影響を及ぼす。学区と学校の連携が取れていないと、プログラムの実施が困難になる。
ジェファーソン高校のあるカリフォルニア州Portville市は、白人が53%、ラティーノ37%、アジア系23%、アフリカンアメリカンが11%という工業地帯のダウンタウンにある。25歳人口の68.2%しか高校卒業資格を持っておらず、学位を持つのは15.4%である。ジェファーソン高校はタイトル1校(貧困層の生徒が一定数いるため補助金が交付される学校)であり、136人の教員の内30名が国際バカロレアのプログラムを受けている。生徒数は3,176人(2004年)、ラティーノが60%、アジアンが13%、アフリカンアメリカン12%、白人10%、アメリカンインディアンやアラスカンネイティブが5%である。64%が貧困層に分類される。
1993年から2003年までは、ジェファーソン高校のIB卒業プログラムは、学区の人種差別撤廃計画の一部であった(マグネットスクール:魅力あるプログラムを貧困地域の学校に導入することで、白人などを呼び戻す政策)。2004年からは、IB卒業プログラムは連邦政府基金によるものから、学区の責任によるものとなった。
ジェファーソン高校では、二人の教員をIBコーディネーターとした。コーディネーターたちは、白人生徒をコミュニティに呼び戻す、という学区の目標は共有せず、学区のミドルスクールからの生徒を集めた。そのうち、8年生(中学卒業時)で代数を取っているのは半分程度であり、42%程度が英語を第二言語としていた。
スタッフの選定
国際バカロレアのように基準の厳しいプログラムを、十分な資格を持たない教員により運営することは意味をなさない。場合によっては、IBクラスを担当する教員の配置換えも必要となる。10年前と異なり、今では生徒の成績が悪い原因を生徒の責任にせず、「違うやり方はなかっただろうか」と考えるようになっている。
事前研修
研修はIB教員により行われ効果的と評価される。スタッフの採用基準がないため、事前研修の果たす役割は大きい。
コーチングとコンサルティング
ピア・リーダーを配置することで、IBコーディネーターは組織文化に対して影響を強く与えることができる。
プログラムとスタッフの評価
外部からのモデレーター(評価者)と学内での評価が異なる場合は、生徒の課題をより詳しく見るなどの調整が行われる。
(割愛)
結論
学校改革は簡単にはいかないが、IBプログラムにはそのプログラムを括弧として運営するためのシステムとサポートがあり、生徒の学業達成を押し上げることが期待できる。
【主たる実施及び組織的内容】
スタッフの選定、事前研修、コーチング、スタッフの評価、プログラムの評価、管理職の支援
スタッフの選定:選定基準を持つことが重要。学内から教員が選出され、コーディネーターは要求を出すが、最終決定は校長が出す。教員の能力が生徒の査定に関係している。
事前研修:研修は学校を離れて、教科に分かれて行われる。参加した教員は変化を感じている。
コンサルティング、又はコーチング:学内のプログラム・コーディネーターになる教員は、日々のプログラム運営や、スタッフの研修監督の責任を持つ。教員は、国際バカロレア組織によるオンラインのサポートも受ける
スタッフの評価:プログラム・コーディネーターは5年ごとに自己評価資料を作成しなければならない。コーディネーターは証拠を示しつつ、プログラムが実施されていることを示す必要がある。国際バカロレア組織のスタッフがこの資料をレビューする。年度末の生徒の成績は教員の能力を測るために使われる。1年に一度、教員は授業計画と生徒の課題を評価したものを国際バカロレア組織に送る。外部のレビューする人は、個々の教員にフィードバックを書いて送る。もし、教員の仕事が国際バカロレアの基準に満たない場合は、国際バカロレア組織の専門家がより詳細なレビューを行う。
スタッフとプログラムの評価:高2、高3は学校外で教科の総括的試験を受ける。これらの試験と、要求される追加プログラムを通過すると国際バカロレア卒業資格を得られる。コーディネータは、何割の生徒が試験を通過し、卒業資格を得たかでスタッフのパフォーマンスの評価とする。
促進的な管理職の支援:予算や政策、手続きなどを効果的に取扱う。裁量権のある予算をプログラム費の支払や、教育・カウンセリングのスタッフの配置、適切なプログラムの要求に合うようなスケジュールの調整を行う。
介入システム:他の政策や政治的支援、経済状況などを含む外的要因。プログラムの国内における権威は極めて肯定的な影響を及ぼす。学区と学校の連携が取れていないと、プログラムの実施が困難になる。
ジェファーソン高校のあるカリフォルニア州Portville市は、白人が53%、ラティーノ37%、アジア系23%、アフリカンアメリカンが11%という工業地帯のダウンタウンにある。25歳人口の68.2%しか高校卒業資格を持っておらず、学位を持つのは15.4%である。ジェファーソン高校はタイトル1校(貧困層の生徒が一定数いるため補助金が交付される学校)であり、136人の教員の内30名が国際バカロレアのプログラムを受けている。生徒数は3,176人(2004年)、ラティーノが60%、アジアンが13%、アフリカンアメリカン12%、白人10%、アメリカンインディアンやアラスカンネイティブが5%である。64%が貧困層に分類される。
1993年から2003年までは、ジェファーソン高校のIB卒業プログラムは、学区の人種差別撤廃計画の一部であった(マグネットスクール:魅力あるプログラムを貧困地域の学校に導入することで、白人などを呼び戻す政策)。2004年からは、IB卒業プログラムは連邦政府基金によるものから、学区の責任によるものとなった。
ジェファーソン高校では、二人の教員をIBコーディネーターとした。コーディネーターたちは、白人生徒をコミュニティに呼び戻す、という学区の目標は共有せず、学区のミドルスクールからの生徒を集めた。そのうち、8年生(中学卒業時)で代数を取っているのは半分程度であり、42%程度が英語を第二言語としていた。
スタッフの選定
国際バカロレアのように基準の厳しいプログラムを、十分な資格を持たない教員により運営することは意味をなさない。場合によっては、IBクラスを担当する教員の配置換えも必要となる。10年前と異なり、今では生徒の成績が悪い原因を生徒の責任にせず、「違うやり方はなかっただろうか」と考えるようになっている。
事前研修
研修はIB教員により行われ効果的と評価される。スタッフの採用基準がないため、事前研修の果たす役割は大きい。
コーチングとコンサルティング
ピア・リーダーを配置することで、IBコーディネーターは組織文化に対して影響を強く与えることができる。
プログラムとスタッフの評価
外部からのモデレーター(評価者)と学内での評価が異なる場合は、生徒の課題をより詳しく見るなどの調整が行われる。
(割愛)
結論
学校改革は簡単にはいかないが、IBプログラムにはそのプログラムを括弧として運営するためのシステムとサポートがあり、生徒の学業達成を押し上げることが期待できる。
0 件のコメント:
コメントを投稿