水曜日, 11月 08, 2006

小学校校長のリーダーシップのエスノグラフィー

小学校校長のリーダーシップのエスノグラフィー
篠原 清昭
教育経営学研究紀要、1997、第4号、77-84

「エスノグラフィー」と呼ばれる研究方法について知るため、いくつかの研究発表を読んでみる。
「学校文化」というが、「文化」をどう描けばよいかまだつかめていない。
どのような形式で書いていけばいいのか、まずは内容よりも構成に着目してみてみることにする。

最初に、対象のプロフィール、状況(場面)説明、課題を挙げている。
次に、行動分析に入る。行動分析は、「時間・空間」と「ワーク」の二つで行っている。
前者は、いつ、どこにどのくらいいたか、という分析で、その割合を出している。
後者は、どういった作業をしているかを具体例を交え記録し、その割合を出している。
このとき、校長のリーダーシップスタイルとワークの関係を解釈している。
次に、ワーク分析のうち、コミュニケーションに焦点をあて、その意味を分析している。
ここでも、リーダーシップとコミュニケーションの関係を解釈している。
ただし、その分類の根拠となる理論については説明がない。
分類の方法や、どのような事象を捉えてそのような分類にしたのか、については調べる必要がある。
また、今回の観察からは、観察者のアクションがどのように影響したかという記述がないことから、消極的参与観察のスタンスが取られていると推察する。

最後に、企画会議でのフィールドノーツが示される。ここでは、時間を左端に、発言者はその横に、観察記録(会話など)がその左に記載されている。会議などを録音したものを後で書き起こしているのかもしれないが、音声だけでは同一人物かどうかはわからないので、メモは不可欠だろう。次に、会話の流れ(文脈)を解釈するが、このとき会話の内容と発言した時刻を一緒に引用している。また、対象である校長の発言比率とその意味の割合を示している。

また、時折「省察インタビューより」として、後のインタビュー内容から、校長がどのような意図でそうした行動を行ったかをはさんでいる。
参考図書として、PTA広報誌や書籍「校長のリーダーシップ」を挙げている。http://www.bk1.co.jp/product/1446291

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