金曜日, 11月 24, 2006

中間システム

中間システムとは、地域共同体の結びつき、近隣関係、親類関係、同輩仲間集団、仕事の領域、医療サービス、社会事業、学校、保育施設、ボランティア組織、市場、教会、スポーツ、友達関係、地域の活動団体などである。
中間システム(世間)は、マイクロシステムである家族と外部システムである社会の中間に位置する。
世間の存在とそれへの意識は、共同体のなかで人々が自分勝手な振る舞いをせず、お互いの利益を犯さないような共生のためのルールであった。大人になることは、このような共同体のルールと、互恵関係にともなう義務に従う自己抑制の過程として求められた。


例えば大阪府高槻市には、「チャレンジ」という不登校の子供を対象とした集まりがある。そこは、フリースクールのように子供が集まれる居場所が提供され、地理などの学校教科の勉強やエスペラント語など学校のカリキュラムにない学習機会も用意されている。
夏には、福井県鯖江から高槻市内までの合計180キロほどの行程を一週間ほどかけて、ボランティアの青年スタッフとともに、歩き続けるというイベントがある。最初は集団に溶け込めなかった子供も、歩く中でスタッフと話したりするなかで、すこしづつ自分の話をし始めるようになる。このイベントの特徴は次のように一般化できる。1つは、明確な目標があることである。もう1つは励ましや宿泊時の協力など仲間との連帯感があることである、そこに青年スタッフが大人と子供のメゾモデルとして存在していることも加えられるだろう。もう1つは、身体を使っている、ということだろう。


別のイベントであるが、中学のときに不登校だった生徒が多く入学する高校の入学時の宿泊訓練の際に参加したことがある。その際、10人前後でボートを漕ぐプログラムがあった。よく鍛えた大人でもしんどい距離である。最後は全員が声を張り上げて号令にあわせてオールを漕ぐことになるが、そのように身体を思い切り使う機会の方が、座学をしているときよりもチームが一体化しやすいと感じたことがある。実際、宿泊訓練後のアンケートをとっても、ボートを漕いだ年と漕がなかった年では、前者の方が特に成績下位層での満足度が高かった。(分析の結果、友達を作る機会や一緒に作業する機会の多さが、特に成績下位層においてプログラムの満足度を左右する、という知見が得られた。)

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