金曜日, 11月 24, 2006

脳の可塑性

例えば、指や手を切断してなくしたヒトでは、それまで指の感覚を担当していた大脳皮質の部位は、その指をなくしたことにより、役割を失ってしまったか。これをfMRIで検討すると、身体の別の部位の感覚を担当するように役割を変えていたことが明らかになった。このように脳がもともとの役割と異なる役割を果たすようになることを、脳の可塑性と呼ぶ。これは機能的に性質を変えることであり、見た目の形が変わることはない。脳の可塑性を最もよく説明する事例は、目や耳に障害があり、視覚や聴覚を失った人たちの脳機能である。例えば、目の見えないヒトが点字を触読するとき、視覚情報を扱うはずの後頭葉に反応があったことが確認された。このことから脳においては、神経の再生という課題とは別に可塑性による機能の変化という、柔軟な役割の変更のようなものがあることが確認された。

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