金曜日, 11月 24, 2006

教育文化とは何か

教育文化とは、教育を受ける人に、どのような教育をするかということを決める基準となるものです。
教育とは、社会で生活するうえで必要な知識を得たり、技術に習熟するために支援をすることです。
文化とは、その社会で好ましいとされる行動や考え方を意味します。
その文化をどのように伝達するかも、文化が異なれば違ってきます。
文化は、たとえば親から子と受け継がれるものですので、まず歴史的に見ていく必要があります。
また、文化は社会において作られていくものですので、社会についても見ていく必要があります。

歴史的に教育文化を見ていきますと、教育文化は、それを見る人と見られるものがお互いに作用しあって語られるものであるといえます。たとえば、ゆとり教育について語る場合、これを受けていない人と受けた人ではその語られ方に違いが出てくるでしょう。つまり、一方だけを「正しい」とか「間違っている」とは論じられないものであるといえます。最近、ニュースでは「教師が悪い」「文科省がいけない」などと語られますが、その語り口以外の視点を見る側が意識する必要があるといえます。さらに言えば、「教育することは善いことだ」という考え方さえ、別の視点で考えてみる必要があるといえます。

社会的に教育文化を見るうえでは、次の3つの視点が考えられます。一つは、教育的意図どおりの方向に相手の態度・行動が変化した場合、もうひとつは教育的意図とは反対に相手の態度・行動が変化した場合、もうひとつはいずれの変化も見られない場合です。このように考えた場合、教育をする人は常に教師、学校とは限りません。親や地域社会の影響も考える必要があります。また、こちらの意図とは違った反応を示すのですから、相手の変化を主とした視点で観察し、考察する必要があります。教育する側の視点ではなく、教育される側の視点です。さらに言えば、どの程度対象に近づいてみるかをいう距離も意識しておく必要があるでしょう。一人の親として子供をみる距離でみるのか、もっと距離をとって日本とアメリカの文化の違いからみるのか、その中間、たとえば日本のなかでの代々医者をしている家庭と花屋の家庭の違いなど、各家庭が属している集団の違いをみていくのか。
つまり、教育文化は、見る人と語る対象の関係によって変化するものであることを踏まえ、自分の受けてきた教育を見つめなおし、対象の文化的背景との関係を含めて見ていく必要があるということです。

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